僕のカラダの『使用期限』



文香がギュウっと手を握り返してきたのを確認して、うるさい教室を出た。







「ねぇ、剛志くん」

「“剛志くん”って長くない?呼び捨てでいいよ」


校門を出てすぐにある公園の前を通る時、手は繋がっているけど少し後ろを歩いていた文香が僕の名前を呼んだ。


呼ばれたことより、呼び方の方が気になってしまった僕。


「た、剛志……。ってムリ!呼び捨てなんか恥ずかしいよ」


少し後ろを歩いていたのに、さらに僕と体の距離を離した。


瞬間、暖かい……というか熱い風が吹く。