愛川が大げさに驚いている。
やっぱり変なやつ。
「俺は、これからデートなんだ!」
はいはい、分かりました~。
分かったから
「僕達の邪魔するな!」
ペットボトルを持っていない文香の手をつかんで愛川から逃げた。
「文香、行こうか!」
「うん!」
文香は、出会った時に見せた小さい子供のように――頬をくぼませて笑った。
――僕達は今、幸せ。
“使用期限”なんて、存在しない。
存在するのは、消えることのない“好き”だけ。
無期限の愛を彼女に。
――今日の空は、とても青く熱く、澄んでいる。
僕の心のように――。
【完】