あれって、かなり気持ちいい。


繋がることが、求められることが、愛おしいことだって初めて知った。


1回使用期限が切れているから、抱くことが出来るか不安だったけど、指が触れる度に声を我慢する文香を見たら、な。


カラダが熱くなったわけ。





「耳の裏の爪痕はだいぶ消えた?」

「うん、まだ凹凸はたくさんあるけど、前よりは、ね」


文香は、あれから耳の裏に爪を立てていない。


愛川兄弟のことを吹っ切れたから。



「うそ~!ユキもここで待ち合わせかよ!」


……。


噂をすれば……だな。