愛されないことから、逃げたかったんだ。 おそらく、その隅っこにあった気持ちが大きくなってしまった時が、使用期限が切れた時。 カラダが文香から逃げた。 ……って、何1人で振り返ってんだよ、僕は。 「ユキくん、お願いがあるんだけど」 黒くて丸いテーブルの向こう側に座っている文香。 ヒジをテーブルにくっつけて、両手を合わせている。 顔は、若干……下を向いてる。 「何?」 タケの背中の上を滑っていた手の動きを止めた。