そっと、僕の手に伸びる彼女の手。 今日はそこそこ天気がいいから暑いはずなのに、暖かい体温が気持ちいい。 「リュウくんと一緒にいたら、ユキくんを好きになることなんて出来なかった。今までリュウくんや良くんのことはツラかったけど、あの出来事があったから今があると思う」 「ミカ……」 「私は幸せだよ。リュウくんは、幸せ?」 文香は、トラウマを上手に過去にしたのかな? あんなに泣いていたのに、今は全然気にしてなさそう。 ううん。 気にしてないんじゃなくて、過去を大切にしているんだ。