「話したいことって……何?」 絞り出して出てきた、そんな消えそうな彼女の声。 ここで話したら、愛川にも会話を聞かれてしまう。 それは嫌だった。 なんか愛川の思うツボな感じがして。 ……廊下に行くか。 僕は、強引に腕を引っ張って文香をイスからに立たせ、彼女の手首を離さないまま、教室を出た。 教室と廊下を区切っている、透明なガラスの窓を背にしている文香。 「噂のことなんだけど」 そう言って僕が文香に1歩近づくと、彼女は1歩後ろに。