両腕を机に置いてイスに座っている文香と、緊張から後ろ髪をつかんで立っている僕。 彼女が僕の顔を見るためには、顔を上げなきゃいけない。 「……ユキ、くん」 上目遣いになっている茶色い瞳に吸い込まれそうになって、鼓動が早くなる。 改めて、僕は文香が好き、って実感させられる。 好き、好きだ。 でも、だからこそ苦しい。 「あのさ、ちょっと話したいことがあるんだ」 机の上に置かれている文香の左腕の手首を手のひらで覆うと、彼女は何回も茶色い瞳をまつげで隠した。