白い肌に、黒い髪、茶色い瞳。 文香が視界に入っただけなのに、速すぎる心臓の音と表現出来ない切なさが胸を締め付ける。 文香はうつむいたまま自分の席まで歩き、カバンを机の上に置くと僕を上目遣いで見てきた。 でも、それは一瞬の出来事。 すぐに視線は机の上のカバンに移動した。 ――直感だけれど 文香はもう噂を聞いているんだ、って感じた。 「噂のことミカに話さないのか?ミカは、ユキが自分のことを好き、って思ってるかもしれない」 唇の左端を少し上げて微笑む愛川が、悪魔に見えたり見えなかったり。