机にアグラをかいたまま、また唇を開く愛川。
「昨日ユキが買ったロープをミカんちまで持って行ったんだ。それで少しミカと話してさ」
頬を右手の人差し指で、わざとらしくかきながら机の上から見下ろしてくる。
昨日見た肉食獣の目つきではなく、穏やかな瞳。
「ユキが昨日、俺と兄ちゃんがミカにつけた傷が癒えてない、みたいなことを言ってたから、離れた理由を話したんだ」
だから何なんだ。
噂を流した理由になってない。
「本当にミカの傷は消えてなかった。泣かしちゃったよ。“もっと早く教えてよ”って言われた」
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