イスに座っている僕の顔に愛川の顔がグ~ッと近づいてくる。 鼻がくっつくか、くっつかないくらいのところまできて止まった。 歯を出さないようにして、ニヤニヤしている愛川。 ちょっとどころじゃなくて、かなり気持ち悪いぞ、その顔。 「今朝からユキの噂が流れてるんだよ」 愛川は、至近距離のまま唇を開く。 「噂?」 文香とつき合っていた時は噂なんて流れていなかったから、久しぶりだな。 別に噂なんか慣れてる。 どうでもいい内容ばっかなんだから。 今回も、どうせそんなんだろと思っていた。