――…


あの後、文香が入っていったラブホに入り、男を殴って彼女を外に連れ出す。


……とか出来たら、どんなにうらやましいことか。


僕は、どこまで女々しいんだろう?


結局、愛川に引っ張られながらホテル街を出た。


“追いかけよう”と、全く思わなかっただけじゃない。


だけど、“追いかけて何が変わる?”と問う自分がいたんだ。


文香は男の“カラダ”を求めている。


使用期限が切れている僕が、文香を抱けれるとは限らない。


――イラナイ、って言われるのが怖かった。