いきなり声のトーンが下がった愛川の声。


“見るな”と言われると余計に見たくなるのは本能なのかもしれない。


何も深いことを考えずに、愛川の顔から公園の方に視線を移してしまった。



……!






見なければよかった、と今更後悔した。





僕の視線の先に――好きな女の子が、知らない男とラブホに入っていく姿があった。



文香が、僕以外のカラダを求めていると知ってしまった瞬間。


「だから見るなって言ったのに。……早くここから出よう」