「当時の俺は誰とでもヤッてたから……ミカに頼まれて断る理由なんてなかった。だけど抱いた後、"情けない"って言った兄ちゃんの顔思い出してさ。兄ちゃんを裏切っている気がして、次から抱けなかった」
“抱けなかった”
僕と同じだ。
抱けなかった理由は違うけれど、文香を抱けなくなったのは同じ。
「罪悪感からミカを離した。ユキはそんな俺を軽蔑する?」
軽蔑って……別にそこまではいかないけど。
「文香は、まだ……」
愛川のことで消えないトラウマがある。
「ユキは後ろ向きじゃね?過去のことは消せないんだ。ユキだって俺のことに文句は言えないだろ?」
文句は言えない?
「なんでだよ」
唇を動かしながら愛川を睨んだ。
愛川は“分かんないの?”と言ってるように呆れた目。
「ユキだって、たくさん女のカラダだけ利用して捨てていたんだから。言ったじゃん、“前の俺に似てる”って」


