僕のカラダの『使用期限』



別れることが“優しさ”になることがあるの?


「優しさと、もう1つは“逃げ”。文香が傷つくのも、自分が傷つくのも嫌だったんだと思う。あの時の兄ちゃんは自分自身のこと相当嫌ってた。ミカに対して必死になることも、空回りして泣かしてしまうことも、かっこ悪くて情けないって言ってた」



なんだソレ。


「兄ちゃん、ミカのこと大好きだったからさ。独占欲わりと強い方で、好きだから自分のものにしたくてすごく求めたんだし。まあ……それがミカにとっては怖かったんだろうけど。ミカに嫌われることが自分への罰だったと思う」


もっと他に方法はなかったの?


ほら、例えば……。


……。


僕は……思いつかないけど……。


何も言えないじゃん――。


"どうしてオレの気持ちを受け入れてくれないんだ"


この言葉から、愛川の兄ちゃんが空回りしているのが分かる気がする。


愛川の兄ちゃんの気持ちは、文香も知らないんだよな。


じゃあ……じゃあさ、なんでそれが分かってて愛川は文香を抱いたの?


「愛川まで文香を捨てる必要なんてあったのかよ」


頬の汗を肩の服で拭って、手で自分の顔を仰ぐ愛川。