愛川は、目をパチクリと開いてる。 何?その表情(かお)で“知りません”ってごまかす気? 苛立った僕の拳が愛川に向かっていた時、彼は今の状況が分かったらしい。 顔に拳が当たる前に、口を開いた。 「あれはミカのためだ!兄ちゃんはミカが本当に好きだから離したんだよ」 止まる拳。 いや、今ミカの話じゃなくて文香の話をしてたんだけど。 前も思ったけど、なんだよミカって。 「話そらすなよ!」 「そらしてねぇって!ミカはユキの彼女!俺と兄ちゃんは、ずっとそう呼んでた」