他の女を抱いても満たされないのは知っていたから。
それに、文香以外の女を抱くことが出来てしまったら文香への気持ちが嘘になりそうで怖かった。
でも、慰めても結局僕を満たすものは何もなくて。
溢れたのは、文香を抱く時以上に虚しく吐き出された“欲”と
止まることを知らない“涙”だった。
空っぽの僕。
助けて、誰か助けてよ。
そんなことを心の中で何度も繰り返しつぶやいていると、ピンポーン、とインターホンが鳴った。
誰?
動く気にもなれない僕だけれど、さすがに誰か家に訪ねてきたとなれば体をベッドから起こす。


