頭が真っ白になる。 文香が見たものは事実。 嘘じゃない。 どうしよう。 「タケがユキくんを見つけて走っていくから、リードを手から離しちゃって。ユキくんと会うの気まずくて、タケを追いかけれなかった」 どうしよう……。 「よく考えてみて。普通、タケがいなくなったら必死に探すでしょ?ユキくんが私の家にタケを連れてきていたのを、知っていたから家にいたの」 ――暑い。 心臓がバクバクして、生ぬるい風じゃ乾かせないくらい額に汗をかいているのが分かる。