いつも僕に“抱いて”と言うように、愛川のカラダを求めてた?
「でも、良くんとエッチしたのは……1回だけ。私に“オンナになれていないオンナノコの相手はもうしない”って言って、それからは、抱いてくれなかったし、リュウくんとも結局ダメだった」
文香は、黒いテーブルに伏せていた顔を上げて涙を手の甲で拭く。
愛川も文香を捨てた?
――許せない。
今ここに愛川がいたら間違いなく殴ってる。
文香が女の子じゃダメって言う理由がハッキリとした。
抱かれることが大人だと思ってるんだ、文香は。
セックスが人を大人にするわけじゃないのに。


