「ここを傷つけていたら安心出来るの。あと、愛川くんは友達……友達なの!」 安心出来るって、すごく痛そうなのに。 このまま質問し続けるのはヤバいかも。 もっと爪を立てそうな気がする……。 「自分の耳の裏じゃないとダメなの?」 バカだな、話をずらしても本当のことなんて分からないのに。 これじゃ愛川の時と同じじゃん。 ……でも、本気で思うんだ。 僕が文香の代わりに傷つくことは出来ないのかな、って。 顔を覗き込んむと文香は“自分の耳じゃないとダメ”とつぶやいた。