僕のカラダの『使用期限』



「ふ、普通に友達だよ」


固まった表情のまま、唇だけ小さく動かす。


そして、耳の後ろに手を持っていって爪を立てた。


……かなり痛いんだと思う。


彼女は顔を歪めて下唇を噛み、涙目になってる。


「なんで自分を傷つけるの?」


自分の爪で耳の裏を傷つけないようにするために彼女の手をつかむと、一瞬だけ人差し指の腹が耳の裏にあたった。


思わずつかんだ手を離してしまった。


文香の耳の裏に爪の痕がたくさんあったのに驚いたから。


文香の顔はニキビ1つなくてツルツルなのに、そこは凹凸だらけ。