僕のカラダの『使用期限』



タケに案内されるように歩くと、僕も文香の部屋の前に着く。


閉められたドアを開けると生ぬるい風が体を包んだ。


窓の端で、まとめられたカーテンがユラユラと揺れている。


文香の黒髪のようにシンプルな部屋は、いつ来ても変わらない。


「なに?訊きたいことって?」


黒一色の直径1mくらいの丸いテーブルの前に、文香はちょこんと座る。


僕も彼女と向かい合うように黒いテーブルの前に座って唇を開く。


「うん、あのさ。さっき愛川の家に行ってきたんだ」