指先から触れたクリーム色の毛は柔らかくて、ちょっとくすぐったい。 会う度にちょっとずつ縮まるタケと僕の距離。 前は会うのが嫌だったけど、今は文香の家に来る時の唯一の楽しみ。 文香を抱いてる時より、タケに触れている時の方が安心出来るんだ。 上目遣いになっているタケは文香に似ているけど、それ以上にミーにそっくり。 やっぱり愛川が拾ったチワワなの? 「文香に訊いておきたいことがあるんだけど、いい?」 頭を親指の腹で撫でると、タケは目を細めた。