僕のカラダの『使用期限』



「“ユキ”って彼女だけが呼ぶのか?」


愛川は、ミーの耳の裏を親指で撫でて鼻の頭を背中にくっつけたまま聞いてくる。


「そうだよ。“剛志くん”は長いから呼び捨てにして、って言ったら呼び捨ては恥ずかしいって言ってさ、“ユキくん”になった」


結構愛川と会話をしたからだと思うけど、部屋の中が暑くなってきた。


二酸化炭素の温室効果っていうやつ。


ミーが舌を出して“ハァハァ”というより“ヘ、ヘ、へ”と呼吸をしている。


「やっぱり。彼女らしい」