「違う違う!話したいことは兄弟じゃなくて」


愛川の部屋は一瞬、女の部屋と間違えてしまうくらい可愛いもので埋め尽くされている。


男のくせにピンクのオーラをかもし出している部屋で、毎日を過ごしてるなんて……キリッと上がった眉からは想像出来ないのに。


僕は、フワフワで触っていて気持ちいいピンクのハート型のクッションを伸ばして遊びながら“ハァ”とため息をついた。


「兄弟の話じゃないなら、何を話したいんだよ」


アグラをかいて座っている愛川は、左右に体を揺らしながら下を向いた。