――…


「ねぇ、剛志くんって兄弟いんの?」


文香が好きと気づいてから、数日後の土曜日。


今日の空は雲だらけで、太陽の光なんて見えない。


最近暑くなってきてるからありがたいと言えばありがたい。


でも、今質問してきたやつの家にいるのはありがたくない。


「話したいことってそれなのかよ。……愛川の家に来るんじゃなかった」


そう、今僕は愛川 良の家にいる。


朝、いきなり僕の家にきたかと思えば、強引に僕をここに連れてきた。