“抱きたい” そんな言葉が頭をよぎった。 触れたい、触れたい。 でも、それと同じくらい“抱きたくない”気持ちもある。 だって、文香を抱いた後の僕は空っぽだから。 空っぽの心は虚しくて自分でもどうすることも出来ない。 僕が満たしたいのは欲じゃないから。 抱きたい 抱きたくない 抱きたい 抱きたくない 「ユキくん」 僕の心の声を遮るように、文香が僕の名前を呼んだ。