女に手首を引っ張られ、フラフラとバランスを崩しそうになりながら、家の中と外の境界線である開かれたドアを通る。 外に出ると手首は解放され、ドアが勢いよく閉められた。 バタンとドアが閉まる音がうるさかったけど、それ以上にうるさいのは僕の心臓の音。 “ドクンドクン”と、いつもより心臓から送り出されている血液の量が多い気がする。 「文香が好き……」 言葉にして口から発すると、さらに大きくなる“ドクンドクン”という振動。 好き。 ドクンドクン…… 文香が好き。 ドクンドクン……