僕は、ミズキが書き残してくれた料理のレシピを見つけた。

『これって…着替えを取りに帰った日に書いたのかな…』

何気なく僕はそのレシピをペラペラめくった。

『ミズキさん…ミズキさんって、こんな字を書いてたんですね…』

僕がミズキの字をちゃんと見たのは、この時が初めてだった。

そして僕は最後のページまでレシピをめくった。

最後のページには僕とミズキらしき似顔絵が描いてあり、その似顔絵の上には“ずっと一緒”…そう一言だけ書かれていた。

似顔絵のミズキも相変わらず笑っていた。

僕は似顔絵を見つめ、似顔絵を手でそっと撫でた。

『ミズキさん…』

僕は不意に涙が溢れ、似顔絵の上に涙が零れた。

ミズキさん…。

ミズキさんに会いたいです。

どんなに君を思っても…この願いは永遠に叶うことはない。

だから余計に…僕は君に会いたくなります。