『ヒロ、来てくれたんだ。ありがとう』

僕は起き上がり、時計を見ると朝の6時だった。

『ごめんなケイゴ、遅くなってさ。どうしても飲み会を抜けられなくて…でもちゃんと風邪薬持ってきた…ってアレ?風邪薬あるんじゃんか』

ヒロはテーブルに置かれている風邪薬に気付いた。

『ああ、それはミズキさんが…アレ!?ミズキさんは?』

僕は部屋中を見回した。

すると、部屋の中が整理整頓されていて、凄く綺麗に片付いていた。

『ミズキさん、部屋の中全部片付けてくれたんだ…』

僕は何だか涙が出そうになった。

『おい、ケイゴ。ミズキって誰だよ?』

ヒロは不思議そうに尋ねた。

『ミズキさんは…僕にとって、今1番気になる人かな』

僕はニコッと微笑み、ヒロに冗談めかした感じで言った。

ミズキのお陰で僕の風邪はすっかり良くなり、熱も下がった。

だけど、ふとミズキの事を考えてしまうたび、僕は微熱状態が続いたのだった。