外は、どしゃぶりの雨だった。 あ、傘、お店に忘れちゃった。 でも、もう取りに戻る気にもなれず、あたしは手をかざして雨の中を駅へ向かって走った。 最低。 最悪。 今さっきのシーンが何度も頭に蘇る。 涙があふれてきた。 舜、なにも水野さんがいる席であんなこと言わなくてもいいじゃん。 でも…… 『それなのに、コイツのせいで、俺、今、大っ嫌いな女につけまわされてて。いい迷惑っすよ』 よっぽど、田所さんのこと、頭にきてたのかな。 だったら、やっぱりあたしが悪いのか。