【完】††Rising††

リハが済むと寄ってきたのは



ドラムのK。



「あんた、幸久さんの息子なんだって?」



「…無駄口叩いてないで、さっさとメイクしてきたらどうっすか?」



俺はKに向かって得意の睨みを利かす。



「うわぁっ怖い怖い!太一君、そんなに怒らないでよ。」



Kはふんわりした印象の笑顔で俺に言った。



大人の色香漂うって感じ。



だけど、品定めしているときのこいつの瞳は



なんだか、無性に腹が立った。



この笑顔はきっとかりそめの笑顔なんだ。