【完】††Rising††


たたき付けてくるような風雨。



前の組がハイレベルだったらしく盛り上がってる観客席。



龍治はチューニングを済ませ、美恵と目を合わせた。



二人が前奏を始め、俺と礼治の音はギターを支えるように入る。



龍治の爽やかな高音が、淡々としてるようで激しい歌詞を歌い上げる。



全く噛み合わないギターの音が新鮮なこの曲。



ステージで独特の動きをしながら暴れ回る龍治。



客の心は、掴んだみたいだ。