龍治をおんぶしたまま控室に向かう。 そこには憎々しいと言わんばかりの雅一の顔。 相当、悔しいのだろう。 「音っつうのは、歌声だけじゃならねぇんだよ。」 そう言ってやると 「チッ!」と小さく舌打ちをして奴は出て行った。 「ハイジ、言うよね〜っ」 「…かぁっこい〜。」 美恵と礼治は俺を肘でつっついた。 「みぇ〜…ハイジを、俺にくれ。」 龍治はまだけだるげな顔だったが俺に強く抱き着く。 「ちょっ!龍治離しなさいよっ」 「い〜や!ハイジは俺の嫁。」 二人で俺を取り合うな。