【完】††Rising††


「あの、さ。一つ言ってもいいかな?」



美恵がふと俺を見上げた。



グロスのつやつやした唇がなんか色っぽい。



「ん?何?」



俺はドキドキしつつちゃんと聞いた。



この次の美恵の言葉は



俺にとってかなり衝撃的な言葉になる。



「私…もう龍治のこと、吹っ切れてるよ。」



吹っ切れてる…



吹っ切れてる?



「は…?そりゃ、つまり…。」



「うん、もう好きじゃない。」



美恵ははっきりそう言った。



俺が美恵の気持ちに気付いてから一週間足らず。



その間に何が?