「あの、さ。一つ言ってもいいかな?」 美恵がふと俺を見上げた。 グロスのつやつやした唇がなんか色っぽい。 「ん?何?」 俺はドキドキしつつちゃんと聞いた。 この次の美恵の言葉は 俺にとってかなり衝撃的な言葉になる。 「私…もう龍治のこと、吹っ切れてるよ。」 吹っ切れてる… 吹っ切れてる? 「は…?そりゃ、つまり…。」 「うん、もう好きじゃない。」 美恵ははっきりそう言った。 俺が美恵の気持ちに気付いてから一週間足らず。 その間に何が?