「何落ち込んでんだよぉ?たっくん!!」
先生が俺の肩を勢い良く叩く。
俺は、先生を見上げて溜息をつく。
「なぁ・・・よく思い出してみろよ!元彼の存在が気になるなら、俺にとってお前も気になる存在ってことだぞ?忘れてないか?」
先生に言われて、初めて気がついた。
・・・そうか・・・
先生は、こんなに俺にフレンドリーに接してくれるけど
先生にとって、俺は彼女の元彼なわけで・・・
いくら、期間が短かったとしても、それは消えない事実。
でも・・・
俺と直ちゃんは、キスすらしてねぇ・・・
ゆかりは、きっと龍に・・・
いろんなことをされて・・・
いろんな技を身に付けたんだ・・・
うわぁ・・・俺、ガキだよな。
ゆかりが、恵にヤキモチ焼いてた気持ちが今更ながらによく理解できる。
「たっくん・・・やきもち?」
俺の手を握るゆかりに、引きつった笑顔を向けると
3人が俺を見て爆笑した。
「俺、ゆかりの初めての男じゃねぇもん・・・」
何スネてんだ・・・俺。
「でもね、ゆかりはたっくんと出逢って変わったんだよぉ?あんなゆかり見たことないもん。龍ちゃんの時とは、全然違うよ!」
直も、そういえば俺と付き合ってた時とは別人だ。
こんな幸せそうな直ちゃんは、見たことなかったっけ。
「ごめん・・・俺がばかだった。スネるとこじゃねぇな・・・」