「なぁ、隆介今度連れて来いよぉ!それで、美亜ちゃんが男と話してる場面見せるんだ。そうすれば…今のお前みたいにヤキモチ焼いて、自分の気持ちに気付くんじゃねぇかぁ?」
先生は、腕を組みニヤニヤと笑いながらそんな事を言う。
なるほど…いい考えだって思うけど、今の俺にはそんなことどうでもいい!
早く、そこから離れろ…
俺の機嫌がこれ以上悪くなる前に…
実は、ゆかりって男と気軽に話せるのか?
俺は、学校も違うし実際にアイツのそういうとこ…わかってないのかも。
俺は、受付の男の微妙な天然パーマにイライラしてた。
俺は、イマイチ利きの悪い冷房にもイライラしてた。
俺以外の男にそんな笑顔向けんな…
「たっくぅ~ん、ヤキモチ焼きなんだねぇ。俺、知らなかったよ。くくくく…」
「先生、マジ…今の俺、冗談通じないから。」
先生は、ちょっとだけ真面目な顔になり俺の肩に手を置いた。
「それだけ、お前は惚れてるってことだな。」
俺の視線は、ゆかりとその男から離れることはなかった。