【卓弥】


ゆかりの友達の美亜ちゃんに、俺の大学の友達を紹介した。


紹介…って大抵うまくいかないことが多いけど…


今回ばかりはちょっと面白い。



ケーキを食いに来たはずなのに、隆介と美亜ちゃんはオムライスを食ってる。

しかも、半分こしてる。


会ったばかりなのに…


しかも、笑ったのは

『トマトソースのオムライス』と『まるごとトマトオムライス』を分けてる。



……おんなじじゃん!!!


ってついつい突っ込みたくなった。



たいした自己紹介もしないまま、隆介と美亜ちゃんは2人の世界になってる。



俺が『美亜ちゃんの好みはSっぽい人』って言ったから?

それとも、こいつは女の前ではこういうヤツ?


でも、美亜ちゃんの表情を見てるとまんざらでもなさそう。


外見的に、隆介は満点だと思うけど…


ちょっと怖そうな雰囲気と、低い声、肩までの髪。


笑うとなかなかかわいい笑顔で、男から見てもかっこいいと思う。



ゆかりはさっきから、心配そうに美亜ちゃんを見てる。


だけど、嬉しそうな美亜ちゃんを見て…ゆかりも笑い出す。



「もう2人にしちゃう?」

ゆかりの耳元でそう言うと、ゆかりは美亜ちゃんを見た。


「隆介、俺らもう帰るけど、あとヨロシクな。」


俺は、一気に水を飲み、席を立とうとした。



「卓弥!!ちょ…っと待て。いきなり、2人きりは…ちょっと照れる…」


はぁ?

あんなに偉そうに話してて?


こいつ最高に面白い。



俺もゆかりも。美亜ちゃんまでも大笑いした。


「笑うなよ!俺、人見知りするからダメなんだよ…」


その言葉にまた爆笑…


仕方がないから、それから1時間みんなで話した。


その間も

「お前、バカだなぁ」

「お前、俺の部屋片付けて」

「またつねるぞ~」


とか…人見知りだなんて思えないような隆介を見ながら笑ってた。