一際明るく光る看板の向こうに、かわいいケーキ屋さんを見つけた。
こんなエッチなお店の間にひっそりと、だけど存在感抜群に異彩を放つそのお店。
窓の外から少し眺める。
私、本来ここに来た目的を忘れそうだった。
あまりにも、不思議なこの街にすっかり酔ってしまってた。
高校の用務員さんの孫のぴんきィィは、こんな場所で何をしてたんだろう。
先生も心配そうだったなぁ。
援交なんてしてなきゃいいけど…
さっきから何人かに声をかけられた。
萌え喫茶の支配人やらに声をかけられた。
『ご主人様、お帰りなさいませ』なんて、絶対言いたくない。
たっくんなら…
言える。
たっくんになら、言えるよ。
働いて帰ってきたたっくんに、お帰りなさいませってキスしたいなぁ…
そんな妄想をしていたからか、人込みの中にたっくんらしき人が見えた。
また、ただの似てる人…
だけど、その後ろ姿は…
私の心を捕らえて離さない。