「ぶはっ」
先生が吹き出した理由は、
なんとなくわかる。
『メタンコ』?
だよな…
どんな子なんだろぉ…
ギャルなのかなぁ…
「相当若いな…これは…ぴんきィィ並みに若いかもなぁ…お前、手ぇ出すなよ!」
先生は、その手紙を左手で持ちながらカツ丼を頬張る。
「俺、そんな軽くないし…まだ会った事もないのに…けど、ちょっと嬉しかったんです。こんな俺でも、好きになってくれるんだ…って。」
「そりゃ、性格知らないからだろぉ?外見だけだって…ぶははは・・」
先生はその手紙を丁寧に折りたたんで俺に渡した。
「俺もお前も、モテて辛いな…!はははは…まぁ冗談だけど。お互い、モテない方じゃないから、しっかり自分を持たなきゃいけない。じゃなきゃ、いくらでも流される。」
先生は、あっと言う間にカツ丼を平らげた。
しかし…美味しそうに食べるなぁ。
「先生は、流されない?」
「あぁ。自信あるよ。何が大事かってことを知ったら人間は強くなれる。俺も男だから、好きだと言われて嫌な気はしないけど、それで直が悲しむなら、誰からもモテなくていいって思う。直からの愛情だけ、しっかりと受け止めて生きていけたら俺は幸せだから…」
やべぇ…
惚れそうにかっこいいぜ。
「今のお前は、全然ダメ。優柔不断のくせに、変に正義感もあって…でも誠実だから嘘もつけない。俺から見るとかわいいヤツだけど、彼女にとっては最悪な男だな…」
先生の言う通りかもしれない。
俺、ダメ男。
「俺、先生みたいになれる?」
「俺?俺もたいしたことないよ。お前なら、俺をすぐ越せるよ。まだまだこれからだろ?今のまま行くと…結婚しても浮気するタイプだな…」
「ちょ・・ちょっと!!それひどいよ、先生!」
俺は、心の底から笑ってた。
さっきまでのモヤモヤや、自分への嫌悪感も消えかけてた。
俺にとって、先生は永遠の憧れ…だなぁ。