わたしはきっと壊れている ジャムの瓶やら お気に入りのマグカップやら 花柄のプレートやらを 投げつけたくなる そんな時がある きみもきっと壊れている 急に妙な歌を歌い出すし 捨てられた猫をあざ笑うし 木に張りつくツタを首に巻こうとする きみはきっと壊れている わたしももちろん壊れている でも 世界はもっと わたしたちなんて比にならないくらい だから わたしは投げつけたくなる この手に持つ 高価なワイングラスを この 崩壊した世界に わたしはきっと壊れている