これが罰ならば 甘んじて受けよう 彼女は言った 喉を潤すこともなく 擦りきれた肌に構うことなく ただひたすらに徘徊する これが罰ならば 生を受けた罰ならば 「ここは海だ」 わたしは わたしを騙し 「麗しき大海原だ」 また あなたをも騙し あるはずのない波に 呑まれるフリをして わたしは 泳ぎ続ける わたしにとっての この世界が わたしの瞼の向こうに 隠れてしまう その瞬間まで 『水のない海を泳ぐように』 彼女は虚構の海に 飛び込んだ