話を遮るようにして、柚羽さんが小さな手を僕の口に押し当てた。



「………?」



なぜ、僕の口を塞ぐのか。

分からずにきょとんとした顔で小さく首を傾げる僕を見て、柚羽さんはゆっくりと手を離した。

そして、僕に背を向けて、国道を眺める。



「知ってるよ」



僕は驚きのあまり、言葉が出なかった。


永輝さんの死を、柚羽さんは知ってた……?

知っているのに、探していた……?



「事故で死んだんでしょう?」



柚羽さんは確認するように僕に聞いた。