「さっ、今日もあてのない人探しでもしますか?」



笑いながら国道に視線を傾ける柚羽さんの横顔。

僕は唾をごくりと呑み込み、深く呼吸をした。



「あの…さぁ…」

「なあに?」

「永輝さんのことなんだけど…」



その名を出すと、柚羽さんはゆっくりと振り返り、いつもの悲しそうな目で僕を真っ直ぐに見た。



「今度は何が聞きたい?」

「いや……、聞きたいんじゃなくて、言いたいことがあるんだ」



ドキドキする心臓を元通りにさせようと、何度も深呼吸をする。

そして、ちゃんと話すんだ、落ち着けと、懸命に自分に言い聞かせる。



「永輝さん、3ヶ月前に事故で………」