『続いて、次のニュースです……』


「おふくろ、オレ、これから出るから」

「えー?どこ行くの」

「幸喜んち」

「あー、そう」



翌日の夜。

テレビのニュースに見入っているおふくろは、僕が夜出掛けることを告げると、無関心に返事した。

別に僕の行動に無関心なわけじゃない。


ニュースやワイドショー好きのおふくろ。

テレビを見ている最中は、他のことなんて目にも耳にも入らない。


僕はわざとそれを狙って、夜出掛けることを言ったのだ。

テレビが消えている時に面と向かって言えば、「受験生でしょ?」などとグチグチお説教が始まる。



「あらー、あの事件の犯人、死んじゃったんだって!」