「なぁ、兄ちゃんに何の用だったんだ?」



部屋に戻った僕に、幸喜と健二が揃って聞いてくる。




「いや、ちょっと……」

「ちょっとって何だよ」

「……人探し。中学ん時の友達に頼まれて」

「人探し!?」



幸喜と健二の素っ頓狂な声が重なる。



「おまえ、お人よし。今のこの時期にそんな余裕あんのかよ」



ゲームのコントローラー片手に健二が言えば、



「オレら受験生だぜ?そんな暇ねぇだろー?」



と、エロ本片手に幸喜が言う。