お祭り騒ぎが大好きな男3人が集まっているというのに、部屋はしんとしていた。
3人揃って、黙々と机に向かっていた。
「………」
難解な問題にぶち当たる。
幸喜をちらりと見ると、左手を額に当て眉間にシワを寄せ、真剣に考え込んでいる。
僕たちに背を向けて勉強している健二。
その背中が、「話しかけるな」と言っているように見えた。
考えながら、健二の部屋をぐるりと見渡す。
ナチュラルに統一された部屋。
大きめのベッド。
木目のクローゼット。
余計なものなど一切ない、すっきりとした部屋は僕の部屋とは大違いだった。
「………?」
僕の視線が、ある一点でピタリと止まった。
この部屋には似ても似つかない、1着の服が壁にかけられてあった。