人探しなんて、初めての経験だった。


赤いスポーツカー。

国道。

暴走族の元頭。


すぐに見つかるだろうと高をくくっていたのが間違いだった。



「……えっ?」



いつものように柚羽さんと会う、真夜中の国道。

僕は冷や汗を感じながら、柚羽さんを真っ直ぐに見た。



「…うん。今も国道に来ているとは限らないの。ただ、永輝が好きな場所で、1人になりたい時に来ていたってだけで……」

「そう……なんだ」

「それに、暴走族の名前も知らないし、何ていう名前の車かさえも……」



とんでもない人探しを引き受けてしまったのかもしれないと僕は後悔した。

けれど、まだ他にも手がかりがあるんじゃないかと思った。