最後まではっきりしなかったという永輝さんにイライラした僕は、少しでも早く柚羽さんに会わせてあげたくて、そんな夢のないことを口走った。



「……そういう事務的な探し方はしたくないし、事情も知らない人に任せたくないの」



そう言われて、僕はなんてことを言ってしまったんだろうと後悔する。



「ごめん。興信所使えば、すぐに見つかるのにって思ったから」

「あ、ごめん。怒ってるわけじゃないのよ?」



また。

柚羽さんは子供のように僕をなだめる。



「オレ、手伝うよ。永輝さん探すの!」

「えっ?だって晶くん、受験生でしょ?ダメよ」

「大丈夫!勉強も同じくらい頑張るから」



断ろうとする柚羽さんに、僕は強引に何度も協力を申し出た。

僕の強引さに根負けしたのか、柚羽さんは「受験生ってことを忘れないで」と念を押して、僕の申し出を受け入れてくれた。