「最後に会った時に永輝が言った『ありがとう』は、何を意味していたのかな」



一通り話し終えた柚羽さんがぽつりと呟いた。



「うーん…、なんだろう」



それは僕にも分からなかった。


柚羽さんは、永輝さんに、自分をどう思っていたのかを聞きたいと言う。

同時に、何も言わずに自分の前から姿を消した永輝さんに、はっきりと別れを告げてもらいたい。

そして、一目でいいから、永輝さんに会いたいと……。



「はっきりさせないと、あたし、前に進めないんだよね」



柚羽さんはそう言って苦笑した。



「……あのさ。興信所使えば、一発で分かるんじゃないの?」