「だから、永輝さんは死んだんだよ!」



泣きながら、かすれ声でそう叫ぶ僕のことなど見もせずに、柚羽さんはフラついた足取りで一歩、また一歩と前に進みだす。



「柚羽さんっ!」



柚羽さんの手を掴み、振り返る。

柚羽さんの視線の先には、呆然とした表情で立ちすくむ1人の男の姿があった。



「………柚羽?」



その男は柚羽さんを真っ直ぐに見て、その名を口にする。

僕は信じられない思いでいっぱいになった。



―――永輝……さん?

その人が、柚羽さんが探し続けていた永輝さんであると、すぐに分かった。